フィリピン政府は、中期開発計画(2004~2010年)において観光産業を重要産業と位置づけ、実効性の高い観光計画策定のための統計システムの構築を優先課題としています。中でも、宿泊施設統計の不備、観光担当部署の未設置、不足する行政能力等の問題を抱える地方自治体の観光行政においては、総合的な知識・経験の獲得や対策が、観光産業育成上の喫緊の課題とされています。
日本国政府はDOT(観光省)の要請を受けて、2006年~2007年に「観光開発」専門家派遣を実施しました。この成果を受け、国際協力機構(JICA)は、DOTの再要請より、地方自治体との観光統計に係る連携強化及び観光開発計画策定に係る能力向上に係る本技術協力プロジェクトの実施を決定しました。
本プロジェクトは、観光統計の収集・分析能力強化を通じて、DOT及び地方自治体の観光開発計画作成に係る能力開発を図ることを目的としています。具体的には、①DOT及び対象自治体職員の観光統計に係る能力開発(研修の実施)、②DOT及び対象自治体の組織・制度面に係る能力開発(自治体の観光担当者向けガイドブックの作成、観光統計データ管理システムの作成、観光統計マニュアルの改訂、各種研修教材の作成など)を柱とした活動を支援しています。
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